ぼう)” の例文
ぼうにおわれ、些末さまつ拘泥こうでいしておって、つい大局を見失っていた。荀攸! なぜ其方は、もっと早く予に注意しなかったのだ」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しこうして礼をたっとび学を重んじ、百ぼううち、手に書をめず、孔子のおしえを篤信し、は誠に万世の師なりと称して、衷心より之を尊び仰ぎ、施政の大綱、必ずこれに依拠し、又蚤歳そうさいにして仏理に通じ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ところが閑中かんちゅうおのずからぼうありでね」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
殿には心身ともに今、生死のうちにあって、ぼうまた忙の寸暇なきお体でありますゆえ、ふと、こういう小閑の一瞬ひとときが、たいへんな霊薬となるのでございましょう。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)