徳太郎とくたろう)” の例文
腹立はらだたしさに、なかばきたい気持きもちをおさえながら、まつろうにらみつけた徳太郎とくたろうほそまゆは、なくぴくぴくうごいていた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
もう一度家の中へとって返すと、跡取りの徳太郎とくたろうという五つになるのが、家の中の騒ぎに眼を覚して起き出したのを、叔母のお里が一生懸命なだめている最中でした。
中番頭ちゅうばんとうから小僧達こぞうたちまで、一どうかおが一せいまつろうほうなおった。が、徳太郎とくたろう暖簾口のれんぐちから見世みせほうにらみつけたまま、返事へんじもしなかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
三四にん先客せんきゃくへの遠慮えんりょからであろう。おきぬがちゃみにってしまうと、徳太郎とくたろうはじくりと固唾かたずんでこえをひそめた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)