マタ)” の例文
つひしか、こんな言ひつけをしたことのない郎女の、性急な命令に驚いて、女たちはマタ、何か事の起るのではないか、とおど/\して居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
越中守として踏み歩いた越路コシヂの泥のかたが、まだ行縢ムカバキから落ちきらぬ内に、もうマタ、都を離れなければならぬ時の、迫つて居るやうな氣がして居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
越中守として踏み歩いた越路コシヂの泥のかたが、まだ行縢ムカバキから落ちきらぬ内に、もうマタ、都を離れなければならぬ時の、迫つて居るやうな氣がして居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
越中守ヱツチユウノカミとして踏み歩いた越路コシヂの泥のかたが、まだ行縢ムカバキから落ちきらぬ内に、もうマタ、都を離れなければならぬ時の、迫つて居るやうな気がして居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
思ふに「上り」を語原と主張する為には、五月幟風のき・吹き流しの類を「のぼり」と言うた確かな証拠が見出されてから、マタの御相談である。
まといの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
何々が模倣であり、何々が血統的相承であり、何々が独得であるか、さうした点は、マタのをりに譲る。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
でないと、この考へが、マタ散らかつて行つてしまふ。おれの昔が、あり/\とワカつて来た。だが待てよ。……其にしても一体、こゝに居るおれは、だれなのだ。だれの子なのだ。だれのツマなのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
愈々魂をとり戻されたのか、とマモりながら、はら/\して居る乳母であつた。唯、郎女はマタ、秋分の日の近づいて來て居ることを、心にと言ふよりは、身の内に、そく/\と感じ初めて居たのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
愈々魂をとり戻されたのか、とマモりながら、はら/\して居る乳母であつた。唯、郎女はマタ、秋分の日の近づいて來て居ることを、心にと言ふよりは、身の内に、そく/\と感じ初めて居たのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
漣の滋賀の大曲オホワダヨドむとも、昔の人にマタも遭はめやも(同)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)