じゅう)” の例文
旧字:
初名義邦よしくに、通称は麟太郎りんたろう、後安芳やすよし、号は海舟かいしゅう、幕末じゅう位下いげ安房守あわのかみとなり、軍艦奉行、陸軍総裁を経、さらに軍事取扱として、幕府陸海軍の実権を、文字通り一手に握っていたのが
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今度の犯人は、茂を誘拐して、身代金を要求した所を見ると、金銭が目的の様ですが、実は金銭などはじゅうであって、茂の母を手に入れるのが、第一の目的ではなかったかと思うのです。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
いわゆる君公には容易に目通めどおりもかなわざりし小家来しょうけらいが、一朝いっちょうの機に乗じて新政府に出身すれば、儼然たる正何位・従何位にして、旧君公と同じくちょうに立つのみならず、君公かえってじゅうにして
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しかしいまは直義が主体で、尊氏はじゅうでしかない。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)