後継あとつ)” の例文
そうおもって見ると、金兵衛の家には美濃の大井から迎えた伊之助いのすけという養子ができ、九太夫の家にはすでに九郎兵衛くろべえという後継あとつぎがある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
自分じぶんってつくったものなら安心あんしんしてることができるといっていましたが、わたしが、またんだ親父おやじ後継あとつぎをするようになりました。この手風琴てふうきん親父おやじってあるいたものです。
手風琴 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なほ以て当山満行寺住職後継あとつぎの件につきては別紙に委細落ちなきやう認め置き申候。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ようやく若者わかものはローマにつきましたが、ちょうどそのときは、法王ほうおうがなくなって、法王の相談役そうだんやくの人たちは、だれをその後継あとつぎにしたらよいか、たいへんまよっているところでした。
かきほぜる埋火すらに早やちて後継あとつぎ足さむ炭とてもなし
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「立身しても、やっと百石、百石とっても、食えるだけだ。二本差して、威張ったところで、百石侍は、うじほどいるし、このごろ、世間も侍は流行はやらない。——後継あとつぎは、弟が適任、お照も、里へ帰った方がしあわせだ……」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつか、うみおうさまの後継あとつぎだという評判ひょうばんがたつであろう。
一本の銀の針 (新字新仮名) / 小川未明(著)