とばり)” の例文
出雲人いづもびとつくつた、幾重いくへにもまはす、屏風びようぶとばりるいよ。われ/\、あたらしく結婚けつこんしたものをつゝむために、幾重いくへかこひをつくつてあることよ。あゝ、その幾重いくへ屏風びようぶとばりよ。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
夜は眞暗で暗黒な兇行には持つて來いの朦朧さが四下にとばりを下ろしてゐる。被害者は若い強力なヘラキュレスの如き筋骨を持つ男ではあつたが一切が思ひがけなく起つた事だし且無手ではある。
無法な火葬 (旧字旧仮名) / 小泉八雲(著)