干菓子ひぐわし)” の例文
松葉の形の干菓子ひぐわしを出したり、青磁の壺に水仙を投げ入れて見せたつて、僕はちつともそれを上品だとは思はない。成金趣味だよ、失敬だよ。
津軽 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
さうして二十ねんむかし父母ふぼが、んだいもとためかざつた、あか雛段ひなだん五人囃ごにんばやしと、模樣もやううつくしい干菓子ひぐわしと、それからあまやうから白酒しろざけおもした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それは私に、或る種の精製された上等の干菓子ひぐわしを聯想させた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)