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いへいへ
仏蘭西語を知つて居る船頭が
其等の貴族の旧邸で今は美術品の製造所に成つて居る
家家へ
矢鱈に船を着けて記念の為に縦覧せよと勧める。
落葉し尽した
木立の間から石と泥とを混ぜた
家家の
白茶けた壁に
真赤な
蔦紅葉の
這つて居るのは
綴の
錦とでも月並
乍ら云ひたい景色であつた。
弱い朝日の光が霧を透すので
青青とした水が、紫を帯び、其れに前の
家家の柱や欄干や旗やゴンドラを繋ぐ
杭などが
様様の色を映してるのが
溜らなく美しい。