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娶
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めあは
「あなたも知つて居るだらうが、
麹町に金尾文淵堂といふ
書肆が居る。あすこの主人に娘さんを
娶さないかね。さうするときつと私の原稿をあげる。」
半分にして吉三郎に菊を
娶せ養子となし利兵衞
夫婦は
隱居致す可し且つ彌太郎方へは又七を
取戻せと申渡されけり
呼江戸の
得意を
殘らず預け私し
成人の後娘に
娶せんとの
遺言を利兵衞も
承知に付父茂兵衞は
安心いたし
頓て
相果申候夫より利兵衞は江戸へ
出店をも開し由四五年を
吉三郎に
娶せ其身は
隱居致すべし然れども二
人の
盜賊未だ
知れず
因て
盜賊の
知る
迄は
控居よと申渡され
偖又小間物屋は
町内預け伊勢屋も呼出す
迄控申べし吉三郎は
當時旅籠屋へ
預け町内の者氣を