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妖冶
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ようや
ふりがな文庫
“
妖冶
(
ようや
)” の例文
その
妖冶
(
ようや
)
な
漂
(
ただよ
)
いが、いっそうお十夜の
鬱憤
(
うっぷん
)
をムカつかせて、
所詮
(
しょせん
)
、ただ魔刀の
酬
(
むく
)
いだけではあきたらない気もちと変った。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
淡い
散光
(
ライム
)
の下で昨夜通りの書割の前で、法水はあの
妖冶
(
ようや
)
極まりない野獣——陶孔雀の犯罪顛末を語り始めたのであった。
オフェリヤ殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その技巧のすばらしさは、録音のよさとともに倍加したが、同時に、濃艶、
妖冶
(
ようや
)
な音も昔に倍加した。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
殊に怪しきは我が故郷の昔の庭園を思ひ出だす時、先づ我が眼に浮ぶ者は、
爛熳
(
らんまん
)
たる桜にもあらず、
妖冶
(
ようや
)
たる
芍薬
(
しゃくやく
)
にもあらず、溜壺に近き一うねの
豌豆
(
えんどう
)
と、
蚕豆
(
そらまめ
)
の花咲く景色なり。
わが幼時の美感
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
正業の女には見られない
妖冶
(
ようや
)
な趣が目につくようになった。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
見ると、ことばの通り、もう戸締りをして寝ていたものに相違ありません、髪をぞんざい結びにした二十四、五の肌の白い女が、二尺ほど明けた戸の隙に
妖冶
(
ようや
)
な姿を細長く見せていて
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さて、その
妖冶
(
ようや
)
な性質を、法水さんに吟味して頂きたいですがね。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
木枕のきしみに、あの、
妖冶
(
ようや
)
な顔を
仰向
(
あおむ
)
けにしたままのそら寝入り……。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女は
唇
(
くち
)
を曲げてつぶやいた。割竹の
傷
(
いた
)
みが
疼
(
うず
)
くたびに、彼女はよけい世の中に強くなろうとした。その底には、数奇な運命にねじけて来た性格が、ようやく年を経て、
妖冶
(
ようや
)
な花をもちかけていた。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
妖
常用漢字
中学
部首:⼥
7画
冶
常用漢字
中学
部首:⼎
7画
“妖”で始まる語句
妖
妖怪
妖精
妖女
妖艶
妖気
妖術
妖怪変化
妖婦
妖魔