トップ
>
天城
>
あまぎ
ふりがな文庫
“
天城
(
あまぎ
)” の例文
「しばらくでございました」突然、二年ぶりに、こういって角間の草庵へ顔を見せたのは、
故郷
(
ふるさと
)
の
天城
(
あまぎ
)
へもどっていた
生信房
(
しょうしんぼう
)
であった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
思はず脊延びして見渡すと遠く相模湾の方には夏の名残の雲の峯が渦巻いて、富士も
天城
(
あまぎ
)
も
燻
(
いぶ
)
つた光線に包まれて見えわかぬ。
岬の端
(新字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
遠く、叢の切れた一方に明るく陽をうけて幾つかの草山が見え、柔かなその曲線のたたなはる向ふに藍色に霞んだ「
天城
(
あまぎ
)
」が空を領してゐる。
測量船
(新字旧仮名)
/
三好達治
(著)
松茸
(
まつだけ
)
と同じように開かないのが上等だ。これを料理して食べると実に
美味
(
うま
)
いぜ。それから
天城山
(
あまぎざん
)
の
山葵
(
わさび
)
も買って来た。山葵は
天城
(
あまぎ
)
が第一等だね。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ハンガーに掛けながした仮縫いの服の間から、サト子たちがマネジャーと呼んでいる
天城
(
あまぎ
)
という事務員が顔をだした。
あなたも私も
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
ちちのみの父のみ身、ははそばの母のみ
魂
(
たま
)
、老いませば、常無けばあはれ。
風花
(
かざばな
)
や
天城
(
あまぎ
)
の杉を、うらら日を、何とはなくて吹きちらふその影にかも、心は寄する。
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
日は、深く
翳
(
かげ
)
っていた。汽車の進むに従って、隠見する
相模灘
(
さがみなだ
)
はすゝけた銀の
如
(
ごと
)
く、底光を
帯
(
おび
)
たまゝ
澱
(
よど
)
んでいた。
先刻
(
さっき
)
まで、見えていた
天城
(
あまぎ
)
山も、
何時
(
いつ
)
の間にか、灰色に塗り隠されて
了
(
しま
)
っていた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
伊豆の
天城
(
あまぎ
)
から見た富士もまた見ごとなものであつた。愛鷹からと云ひ乙女峠からと云ひ、贅澤を言ふ樣だが實は少々近過ぎる感がないではなかつた。
樹木とその葉:06 四辺の山より富士を仰ぐ記
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
天城
(
あまぎ
)
の悪四郎とかいって、近ごろ寺院ばかり襲い廻る強盗の
群
(
むれ
)
があると聞くが、そんな者の手下でもあるか?
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
春
天城
(
あまぎ
)
雪の鎮めと伊豆びとは何をもて遊ぶ歌をもて遊ぶ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
富士からと
天城
(
あまぎ
)
からとの
樹木とその葉:13 釣
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
城
常用漢字
小4
部首:⼟
9画
“天城”で始まる語句
天城山
天城四郎
天城屋敷
天城屋六兵衛