“天城”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あまぎ90.9%
あまぎの9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「しばらくでございました」突然、二年ぶりに、こういって角間の草庵へ顔を見せたのは、故郷ふるさと天城あまぎへもどっていた生信房しょうしんぼうであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思はず脊延びして見渡すと遠く相模湾の方には夏の名残の雲の峯が渦巻いて、富士も天城あまぎいぶつた光線に包まれて見えわかぬ。
岬の端 (新字旧仮名) / 若山牧水(著)
「いや、どこか、他国の者らしいのです。私が、声をかけると、賊は、よほど大胆なやつとみえて、驚きもせず、おれは天城あまぎの四郎という大盗だとみずから名乗りました」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「名まえかい。——名をいうほどな人間でもないが、これでも、先祖は伊豆の一族。今では浪人をしているので、生国しょうごくの名をとって、天城あまぎの四郎とよんでいる田舎いなか武士だよ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)