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だいりん
夏のはじめのころに、一
本のばらに、
真っ
白な
雪のような
花が
咲きました。その
花は、さち
子が、
草花屋で、
切り
花を
買ったときの
花よりも
大輪で、
香気が
高かったのであります。
磐面には
花を
摘んだ、
大輪の
菫と
鼓草とが、
陽炎の
輝く
中に、
鼓草は
濃く、
菫は
薄く、
美しく
色を
分つて、
十二輪、
十二輪、
二十四輪の
駒なるよ……
向ふ
合はせに
区劃を
隔てゝ、
二輪、
一輪、
一輪