墳墓おくつき)” の例文
「サクソンのかしこき神にちなみてぞ、けふをば『ヱンスデイ』といふ。その神見ませ、よるよりも暗くさびしき墳墓おくつきに、くだりゆくまで我が守る宝といふは誠のみ。」
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
母親はゝおや墳墓おくつきは、やまあるをかの、つき淺茅生あさぢふに、かげうすつゆこまやかにじやくとある。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
誰か世に生き残るべき墳墓おくつきの古きを見れば涙ながるる
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
二月過ぎて乙女は墳墓おくつきに運ばれぬ。
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
墳墓おくつきごとのこるものわびしさに
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
花もて飾る墳墓おくつき
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
また恐しい嫗の手に、怪しい針に釣り上げられて、この汗、その水、この枕、その夢の船、この身体、四角なへやも穴めいて、はだえの色も水の底、おされて呼吸いきの苦しげなるは、早や墳墓おくつきの中にこそ。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
忘られし君が墳墓おくつきの静けさよ。
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
墳墓おくつきごとしめやぎぬ。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
その墳墓おくつきをたづぬるに
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)