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埃臭
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ほこりくさ
ふりがな文庫
“
埃臭
(
ほこりくさ
)” の例文
平次は
暇
(
ひま
)
で/\仕樣のない日を、一杯呑むほどの
工面
(
くめん
)
もつかず、相變らず
埃臭
(
ほこりくさ
)
い粉煙草をせゝつて、八の來るのを待つて居るのでした。
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
俊助
(
しゅんすけ
)
は答礼の帽を脱ぎながら、
埃臭
(
ほこりくさ
)
い周囲の古本と相手のけばけばしい服装との間に、不思議な対照を感ぜずにはいられなかった。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
埃臭
(
ほこりくさ
)
い男の体臭が、かへつて哀れに思へて、ゆき子は、環境で変つてゆく人間の生活の流れを不思議なものと悟る。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
四方一帯、春昼の
埃臭
(
ほこりくさ
)
さのなかに、季節に後れた
沈丁花
(
じんちょうげ
)
がどんよりと
槙
(
まき
)
の樹の根に咲き匂っている。
春:――二つの連作――
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
古編笠をかぶった浪人者が一名、
埃臭
(
ほこりくさ
)
い
蝙蝠羽織
(
こうもりばおり
)
に、
溝染
(
どぶぞめ
)
の
袷
(
あわせ
)
を着、肩をそびやかして
傲然
(
ごうぜん
)
と、門前に突っ立っている。——そしてそれを囲んで、門番や家来の者たちが
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
日本の魔法使も、
埃臭
(
ほこりくさ
)
い
飛田
(
とびた
)
の土の中から、コスモスの
芽生
(
めばえ
)
には似てもつかない
色々
(
いろん
)
な物を見せてくれる。
業突張
(
ごうつくばり
)
の予選派の
面
(
つら
)
。
食
(
くひ
)
しん坊の同志会の胃の腑。泥だらけな市長の
掌面
(
てのひら
)
……。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
が、
埃臭
(
ほこりくさ
)
い
帷
(
とばり
)
を垂れた、
小舸
(
せうか
)
のやうな寝台の中には、さすがにまだ生暖い仄かな闇が残つてゐた。
南京の基督
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「八、頭から、その
筵
(
むしろ
)
を冠れ。少しは
埃臭
(
ほこりくさ
)
いが、我慢をしろ」
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「八、頭から、その
筵
(
むしろ
)
を冠れ。少しは
埃臭
(
ほこりくさ
)
いが、我慢をしろ」
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
埃
漢検1級
部首:⼟
10画
臭
常用漢字
中学
部首:⾃
9画
“埃”で始まる語句
埃
埃及
埃溜
埃立
埃及煙草
埃塵
埃風
埃塗
埃及諸神譜
埃及人