“埃風”の読み方と例文
読み方割合
ほこりかぜ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と思うとたちまち想像が破れて、一陣の埃風ほこりかぜが過ぎると共に、実生活のごとく辛辣しんらつな、眼にむごとき葱のにおいが実際田中君の鼻を打った。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
歩くにしてもここからは、神田橋かんだばしの方へ向って行かなければならない。お君さんはまだ立止ったまま、埃風ほこりかぜひるがえるクリイム色の肩掛へ手をやって
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
埃風ほこりかぜの吹く往来には、黒い鍔広つばびろ帽子ぼうしをかぶって、しまの荒い半オオヴァの襟を立てた田中君が、洋銀の握りのある細い杖をかいこみながら、孤影悄然しょうぜんとして立っている。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)