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地鉄
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じがね
ふりがな文庫
“
地鉄
(
じがね
)” の例文
「たとえ千年二千年たとうが、精が
脱
(
ぬ
)
けるようでは名刀の値打はない、この肌を見給え、この
地鉄
(
じがね
)
を見給え、昨日
湯加減
(
ゆかげん
)
をしたような若やかさ」
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ところが近世の新刀となると、これほど錆させたらもうだめですわい。新刀の錆は、まるで
質
(
たち
)
のわるい
腫物
(
できもの
)
のように
地鉄
(
じがね
)
の
芯
(
しん
)
へ腐りこんでいる。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
へしと称し、平打ちにかけて
鋼
(
はがね
)
を減らし、刀の
地鉄
(
じがね
)
を
拵
(
こしら
)
える。水うちともいう。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「それだから言わぬことではない、一見しては
地鉄
(
じがね
)
が弱いようだけれど、よく見ていると板目が立ち、見れば見るほど刃の中に波が立ち、後世の
肌物
(
はだもの
)
とはまるで違う」
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「おらは、ばくちが嫌いだが、つい、
地鉄
(
じがね
)
を仕入れる金がすこしばかり欲しかったものだから」
野槌の百
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
この和泉守の太刀姿は、
地鉄
(
じがね
)
こまやかに
剛
(
つよ
)
く冴えて、匂いも深く、若い風情のなかに大みだれには
美濃風
(
みのふう
)
に備前の模様を兼ねたおもむきがあり、そのころまず上作の部に置かれていたという。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「模様を一見したところでは、肌が立って
地鉄
(
じがね
)
が弱いようにも見受けられる……が」
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
真雄は、刀の
地鉄
(
じがね
)
にする、
玉鋼
(
たまはがね
)
を熔かす仕事に、顔まで、
炎
(
ほのお
)
にしているので
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そは、はじめに
地鉄
(
じがね
)
を
積
(
つ
)
むとき——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
よろしいか、長さは二尺四寸、ちと長過ぎる故、
摺上物
(
すりあげもの
)
に致そうかと思ったけれど、これほどの名物に
鑢
(
やすり
)
を入れるのも
勿体
(
もったい
)
なき故、このまま拵えをつけた、この
地鉄
(
じがね
)
の細かに
冴
(
さ
)
えた板目の波、肌の
潤
(
うるお
)
い
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
鉄
常用漢字
小3
部首:⾦
13画
“地”で始まる語句
地
地面
地方
地上
地獄
地震
地下
地主
地平線
地味