おはし)” の例文
さても平野村甚左衞門方に世話せわに成居るお三婆は此事をきくよりおほひなげかなしみ先年御誕生ごたんじやうの若君の今迄いままでも御存命におはしまさば將軍の御落胤おんおとしだねなれば何樣いかやうなる立身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しばしは物のわけも聞えざりけり、世におはしし時は、花やかなる有さまにて有べきが、昨日は今日に引かはり、白き出立いでたちの外はなし、若君姫君をお乳人めのとにも、はやそひまいらせず
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)