国中くになか)” の例文
旧字:國中
大和の国中くになかに宮遷し宮さだめ遊した代々の 日のみ子さま、長く久しいみ代々々に仕へた中臣の家の神わざ、お姫様、お聞き及びかえ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
されどいかがしてこれを五一せいし得ん。只いへごとに五二暮をかぎりて堅くとざしてあれば、近曾このごろ国中くになかへも聞えて、人の往来いききさへなくなり侍るなり。
国中くになかのあちこちには、傷ましい史蹟が多い。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中臣藤原の遠つおやあめのおしくもね。遠い昔の 日のみ子さまのおしのいひとみ酒を作る御料の水を、大和国中くになか残る隈なく捜し蒐めました。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
父母これを嘆きてひそかにはかるは、一九あはれよき人の女子むすめかほよきをめとりて二〇あはせなば、かれが身もおのづからをさまりなんとて、あまねく国中くになかをもとむるに、幸に媒氏なかうどありていふ。
次いで、遥かな/\豁の流れの色が白々と見え出す。更に遠く、大和国中くになかの何処からか起る一番鶏のつくるとき。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
大和の国中くになかに、宮うつし、宮さだめ遊した代々よよの日のみ子さま。長く久しい御代御代に仕えた、中臣の家の神業。郎女さま。お聞き及びかえ。遠い代の昔語り。耳明らめてお聴きなされ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
更に遠く、大和国中くになかの、何処からか起る一番鶏のつくるとき。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)