嚥下のみおろ)” の例文
ところで、一刻いつこくはや仕上しあげにしやうとおもふから、めし手掴てづかみで、みづ嚥下のみおろいきほひえてはたらくので、時間じかんも、ほとんど昼夜ちうや見境みさかひはない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其れから日本で喉を焼けば含嗽うがひをするのだが、この医者はぐつと嚥下のみおろして仕舞しまへ、うすると薬が喉の奥へ善くしみ込むからと云ふ。随分悪辣あくらつな治療法である。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
すると、ユウゴオは「君の厭味いやみもつともだ」と言ひながら前の大きなトマトを取つて一口に頬張り二三度もごもごさせたまゝ嚥下のみおろして仕舞しまつたのは今でも目に見える様だと云ふ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)