商人風あきんどふう)” の例文
しかしその後ろに、商人風あきんどふうな男が、こちらへ背を向けたまま、室内で、もう一名の行房ゆきふさとはなしこんでいるのをチラと見
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下諏訪しもすはると、七八にん田螺たにしきさうな、しか娑婆氣しやばつけ商人風あきんどふうのがひからして、ばら/\とはひつてた。なか一人ひとり、あの、をんな二人ふたりところへ、ましてこしけたをとこがあつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やつした姿は商人風あきんどふう、縞の衣裳に半合羽、千草の股引き甲斐甲斐しく、両掛けかついで草鞋ばき、ひどく堅気に見せながらも、争われぬは歩きぶり、足の爪先踏みしめ踏みしめ、かがとこらえる武者運び
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)