“唐輪(からわ)” の例文
いま、見るうちに男の生命(いのち)を、いいかい、心をよく静めて。——唐輪(からわ)。(女の童(わらべ)を呼ぶ)その鏡を。(女の童は、錦をひらく。手にしつつ)——的(まと)、的、的です。あれを御覧。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その間(あいだ)に、白媼(しろうば)の内(うち)を、私を膝に抱いて出た時は、髷(まげ)を唐輪(からわ)のように結(ゆ)って、胸には玉を飾って、丁(ちょう)ど天女(てんにょ)のような扮装(いでたち)をして、車を牛に曳かせたのに乗って、わいわいという群集(ぐんじゅ)の中を
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
少しおくれて、童男(どうだん)と童女(どうじょ)と、ならびに、目一つの怪しきが、唐輪(からわ)と切禿(きりかむろ)にて、前なるは錦(にしき)の袋に鏡を捧げ、後(あと)なるは階(きざはし)を馳(は)せ下(くだ)り、巫女(みこ)の手より梭(ひ)を取り受け、やがて、欄干(らんかん)擬宝珠(ぎぼうしゅ)の左右に控う。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)