品性ひんせい)” の例文
職務の分量にとどまらずして職務の品性ひんせいをよくせよというのである。十貫目かんめ荷物にもつになうものに、務めて荷物十一貫目を荷えというのでない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
わたしが動物たちに教訓きょうくんをあたえるのは、同時にわたしがかれらから教訓を受けることになるのだ。わたしはあれらのちえを進めてやったが、あれらはわたしの品性ひんせいを作ってくれた
金力きんりょく品性ひんせいう題目のもとに、両者の必ずしも一致せざる理由を説明して、あんに会社の役員らの暴慢と、青年子弟の何らの定見もなくしていたずらに黄白万能主義こうはくばんのうしゅぎを信奉するのへいとをいましめた。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
西洋の新聞や雑誌に、しばしば日本の実業家の品性ひんせいすなわち商業道徳なるものをなんじている。われわれとてもいかにめたくも、日本の商業道徳を西洋のそれにまさるとはいいかねる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
おのずからその人とり、その品性ひんせい斟酌しんしゃくして招待するからして、演説におのずから重みがついて、時勢遅れの学説もあったり、あるいはあまりに理想にはしって実行出来ぬ空論を述べる者もあろうが
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)