やさ)” の例文
のつそりは憎い奴、親方のむかうを張つて大それた、五重の塔を生意気にも建てやうなんとは憎い奴憎い奴、親方がやさし過ぎるので増長した謀反人め
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
何事も皆天運まはりあはせぢや、此方の了見さへ温順すなほやさしく有つて居たなら又好い事の廻つて来やうと、此様おもつて見ればのつそりに半口与るも却つて好い心持
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
何ごとも皆天運まわりあわせじゃ、此方こちの了見さえ温順すなおやさしくもっていたならまた好いことの廻って来ようと、こうおもって見ればのっそりに半口やるもかえって好い心持
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
やさしく云われてますますおそれ、恍然うっとりとして腕を組みしきりに考え込む風情ふぜい、正直なるが可愛らし。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
親方がやさし過ぎるので増長した謀反人め、謀反人も明智あけちのようなは道理もっともだと伯龍はくりゅうが講釈しましたがあいつのようなは大悪無道ぶどう、親方はいつのっそりの頭を鉄扇でちました
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
昨夜わつちは何か悪いことでも為は仕ませぬか、と心配相に尋ぬるも可笑く、まあ何でも好いは、飯でも食つて仕事に行きやれ、とやさしく云はれてます/\おそれ、恍然うつとりとして腕を組み頻りに考へ込む風情
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)