くち)” の例文
マラリア、デング熱の病原蚊、睡眠病の蠅、毒蚋、ナイフのようなくちの大馬蠅の Tufwaoチュファ ああ、その大集雲!
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼等自ら其天地を劃り、自ら其党派をてゝ曰く、真美は唯我党のみ知れり、純文学は唯我党のみあづかれり、門外漢をしてくちを揷ましむるなかれと。
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
併し色が生白なまつちらけて眉毛がチヨロけて眼尻が垂れ、ちつと失礼の云分だがやまと文庫の挿絵の槃特はんどくに何処かてゐた。第一いやな眼付をして生緩なまぬるくちかれるとぞうつと身震が出る。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
そこで龍とその魚を獲って、じょうをおろして帆柱の間に置いてあったが、二つともかすかに息があった。そして龍はくちを開けたり閉じたりしてたすけを求めているようであった。
西湖主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
溢れる水を唇にけて見せたが、稚兒は、手を淨める水にくちつけるのを咎めた。
恐ろしい格好をしたくちの先から、煙草の噛み汁のような黒い泡をにじませる。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
直接じかくちつけるのは不作法だ、ととがめたように聞えたのである。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
われ真心の限り白き君が手にくちづけぬ。
ゑぐきにくちらしては
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
直接じかくちつけるのは不作法だ、ととがめたやうに聞えたのである。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)