同朋どうぼう)” の例文
秀吉は同朋どうぼうからそれを求めて、原案を一閲いちえつしていたが、筆に墨をふくませると、無造作に三、四項へ棒を引き、かつ、私見を書き加えて
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ一つの大きなビジテリアンの同朋どうぼうとして、「お早う、」と挨拶あいさつし「おめでとう、」と答えたのです。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
成島氏の家はもと同朋どうぼうであったが、錦江が八代将軍吉宗よしむねちょうせられて奥儒者に挙げられてから、これを世襲の職となし、伝えて竜州、衡山、東岳、稼堂より確堂に至った。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この他槍奉行、旗奉行、御蔵奉行、御料人様衆、御小姓衆、御しょう堂様衆、御同朋どうぼう衆、御使者番、御右筆衆、御伽衆、御茶堂衆に至るまで、その数およそ五百人、座を圧して居流れていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
金の葵唐草からくさ高蒔繪たかまきゑにて紫縮緬の服紗にて熨斗目麻上下の侍ひ持行同じ出立の手代てがはり一人引添ひきそひたり又麻上下にて股立もゝだちとつたる侍ひ十人宛二行に並ぶ次にちゞら熨斗目に紅裏こううらの小袖麻上下にて股立取たるは何阿彌なにあみとかいふ同朋どうぼうなりさて天一坊は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼が、右すれば右、左すれば左へと、近習、侍大将、参謀、旗本、典医てんい同朋どうぼうの者などが、ぞろぞろと護って歩いていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ねがわくは先輩諸氏愚昧ぐまい小生のごときをも清き諸氏の集会の中に諸氏の同朋どうぼうとして許したまえ。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
と、うなずいたきりで、汗ぬぐいをくれといいつけ、同朋どうぼうものが、水絞りの白布を捧げると、大きな手にそれをつかんで、えりくびの汗を拭きぬいていた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち私は一仏教徒として我が同朋どうぼうたるビジテリアンの仏教徒諸氏に一語を寄せたい。この世界は苦である、この世界に行わるるものにして一として苦ならざるものない、ここはこれみな矛盾むじゅんである。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
衆の声「はアて? どうじゃな同朋どうぼうたち。検校けんぎょうどのの今のおはなし、合点がてんがゆくか」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
義元の同朋どうぼう伊丹権阿弥いたみごんあみという者が、中門まで手燈てあかりを持って出迎えに出ている様など、夜の茶会にふさわしく、灯影ほかげのゆらぎ、虫の音など、風流の気につつまれて見えたが、義元が通って
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同朋どうぼうがとりあえず、薫香散くんこうさんせんじて来て献じると、秀吉は起きて
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)