叱呼しっこ)” の例文
あまり大声叱呼しっこをしないで、じっくりと当面の改善策を科学的に、住む人の身になって考究するのが差し当りなすべきことである。
満洲通信 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
叱呼しっこしながら入って来た三樹八郎。——たすき、汗止め、はかま股立ももだちをしっかりと取って、愛剣包光かねみつ二尺八寸を右手に傲然ごうぜんと突立った。
武道宵節句 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
叱呼しっこしながら、シャルムウズの袖をまくり、河童頭かっぱあたまを一振り振って勢い立ったる有様は、さながらシノンの野におけるジャンヌ・ダルクのごとく意気沖天のおもむきがあった。
(なんらかのご分別はないか)という言葉は、決して、単にそれだけの言葉ではなく、なにか、兄の月輪殿を叡山から叱呼しっこして励ましているようにも聞えるのであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と見て、捕り手を率いる同心とおぼしき頭だったひとりが、半弧はんこのうしろから大声に叱呼しっこした。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
悲鳴、叱呼しっこ、絶叫、怒罵と、衝突、破砕はさい、弾ける響、災のうなる音。あらゆる騒音の佃煮つくだに
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
「お待ちなさい、このうえ騒ぎを大きくしては武士の体面にかかわりましょう、場所がらをお考えなさい」かれはそう叱呼しっこしながら、大手をひろげて立ちふさがった。
薯粥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
秀吉は、叱呼しっこ一番
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
叱呼しっこして斬込んだ。
武道宵節句 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)