“古伽藍”の読み方と例文
読み方割合
ふるがらん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大法鼓だいほうこを鳴らし、大法螺だいほうらを吹き、大法幢だいほうとうてて王城の鬼門をまもりしむかしは知らず、中堂に仏眠りて天蓋てんがい蜘蛛くもの糸引く古伽藍ふるがらんを、いまさらのように桓武かんむ天皇の御宇ぎょうから堀り起して、無用の詮議せんぎ
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
古伽藍ふるがらんげた額、化銀杏ばけいちょうと動かぬ松、錯落さくらくならぶ石塔——死したる人の名をきざむ死したる石塔と、花のような佳人とが融和して一団の気と流れて円熟無礙むげの一種の感動を余の神経に伝えたのである。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)