取高とりだか)” の例文
密訴みつそをした平山と父吉見とは取高とりだかまゝ譜代席小普請入ふだいせきこぶしんいりになり、吉見英太郎、河合八十次郎やそじらうおの/\銀五十枚をたまはつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「何しろ取高とりだかが少ないもんですから仕方が御座いません。もう少しかせいでくれるといのですけれども」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
えらみ遊ばされし事あり此事の人の知る所なり時に元和げんな九年徳川二代將軍家御上洛じやうらくあられしかば京都の繁華はんくわ前代未聞ぜんだいみもんなり然るに其年の十月頃時の關白くわんぱく二條左大臣殿の諸大夫しよたいふにて取高とりだか七石二人扶持ふちなる河島伯耆守かはしまはうきのかみと云る人或日あるひ只一人祇園ぎをんの社へ參詣なし祇園豆腐どうふと云を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もっとも月々の取高とりだかが少ない上に、交際つきあいもあるんだから、仕方がないといえばそれまでだけれどもね……
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)