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取附
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とりつ
実は身の
置処がなくって饂飩屋になった又作だ、こゝで千円の
資本を借り、何か商法に
取附くのだ、君も又貸したって、
宜しいじゃアねえか
かゝる
敵が、
植物界にも、
人間界にも、
常に
陣どって
相鬪ふ……
仁心と
害心とが……
而して
惡しい
方が
勝つときは、
忽ち
毒蟲に
取附かれて、
其植物は
枯果つる。
と
一向気のない、
空で覚えたような
口上。
言つきは
慇懃ながら、
取附き
端のない会釈をする。
どうか此の金で
取附いてどんな商法でも
開きなさい、共に力に成ろうから、
何でも身体を働いて
遣らなくっちゃアいけんぜ、君は
怠惰者だからいかん、運動にもなるから働きなさい
是れでお瀧は茂之助へ
面当ヶ
間しく、わざとつい一里と隔たぬ
猿田村の
取附きに
山王さまの森が有ります、其の鎮守の
正面に空家が有りましたからこれを借り、
葮簀張の
掛茶店を出し