取込とりこみ)” の例文
なしたり然るに此時江戸へ出訴しゆつその事組頭くみがしら出府致すべき處種々いろ/\取込とりこみのことあるにより飛脚ひきやくを村方より立ると云を九助は聞込何卒わたくしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「そりゃおまいとうに済んだよ。」と此方こなたも案外な風情、あまり取込とりこみにもの忘れした、旅籠屋はたごやの混雑が、おかしそうに、莞爾にっこりする。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
伴「いゝから引込ひっこんでいなよ……へい/\、少々うち取込とりこみが有りまして店を閉めて居りますが、何か御用ならば店を明けてから願いとうございます」
かうした早急さっきふ取込とりこみゆゑ、さぞりますまい。
長「直にったって大騒ぎなんで、家内うちに少し取込とりこみがあるんで、年頃の一人娘のあまっちょが今朝出たっきりけえらねえので、内の女房やつ心配しんぺえしてえるんでね」
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
友之助は商いを仕舞って迎いに来ようと思ったが、そこは外見みえで女房の跡を追掛おいかけるようでいかぬから、銀座へ泊って翌日くと種々いろ/\跡に取込とりこみがあり、親類の客があるし
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)