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取纏
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とりまと
ふりがな文庫
“
取纏
(
とりまと
)” の例文
余は、わが研究室部員を率いてフランス戦線に三ヶ月を送り、その間に集成手術によって
取纏
(
とりまと
)
めたる人体は十体に達した。
諜報中継局
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
何
(
いず
)
れもその時の私の心境を率直、如実に告白致したいために、日記の記録する通りに文章を
取纏
(
とりまと
)
めたものですから……。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
家の者が寝静まった頃を見計らって、
宵
(
よい
)
のうちから用意しておいた手荷物を
取纏
(
とりまと
)
め、
草履穿
(
ぞうりば
)
きでこの漁師の家の裏口から首尾よく忍び出てしまいました。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一週間ほど慧鶴は新しく取り上げた求道の慾望によって竕散の意識感覚を
取纏
(
とりまと
)
めることに懸命の努力をし、どうやら思考も継続して追詰めて明けるように慣れて来た。
宝永噴火
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
長旅に耐えられるような鞄をひろげて書籍や衣服なぞを
取纏
(
とりまと
)
め、いささかの薬の用意をも忘れまいとする頃は、遠い国に向おうとする心持が実際に岸本に起って来た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
そして飽迄も双方を
取纏
(
とりまと
)
めるのを当然の覚悟とするから、助勢なんぞは
却
(
かえ
)
って要せぬのである。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この点と、牧田が郵便物を
取纏
(
とりまと
)
める役目だということと結付けると、一寸面白い筋書きが出来るよ。つまりこうだ。牧田がどうかして富美子さんの恋を感づいていたとする。
黒手組
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私はあわてて店頭を逃げ、二三の買物を
取纏
(
とりまと
)
め、裏通りから停車場の方へ、小石を洗ふやうにして流れてゐる浅い流れの川土手の上を歩いた。
疎
(
まば
)
らに並んだ古い松が微風に
緩
(
ゆる
)
やかにざわめいてゐた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
そこに
取纏
(
とりまと
)
めておくに限ると言ひ出した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「私です」書生の牧田が
頓狂
(
とんきょう
)
な調子で答えた。「郵便物は凡て私が
取纏
(
とりまと
)
めて奥様の所へ差出しますんで、十三日の午後の第一回の配達の分を取出した中に、その脅迫状が混って居りました」
黒手組
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
大切の証文も幾通りか
逸早
(
いちはや
)
く
取纏
(
とりまと
)
めて持って出ました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
旅の手荷物もそこそこに
取纏
(
とりまと
)
めた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
纏
漢検準1級
部首:⽷
21画
“取”で始まる語句
取
取出
取縋
取柄
取除
取次
取敢
取交
取做
取付