“卿(きやう)” の例文
御子三位(さんみ)の中將殿(維盛)は歌道(かだう)より外に何長(なにちやう)じたる事なき御身なれば、紫宸殿(ししいでん)の階下に源家(げんけ)の嫡流(ちやくりう)と相挑(あひいど)みし父の卿(きやう)の勇膽ありとしも覺えず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
借らんと云入(いひいれ)しに座敷は迷惑なりと云ふ心得たりと太華大藏(おほくら)の卿(きやう)五十錢札一枚を出すイザ是へと急に座敷に請じて茶菓(さくわ)を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
東下(あづまくだ)りの路すがら、菊川(きくがは)の西岸に宿つて、末路の哀歌を障子に書きつけた中御門(なかみかど)中納言(ちうなごん)宗行(むねゆき)卿(きやう)もさうである。
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
〔評〕三條公は西三條、東久世諸公と長門に走る、之を七卿(きやう)脱走(だつさう)と謂ふ。幕府之を宰府(ざいふ)に竄(ざん)す。既にして七卿が勤王の士を募(つの)り國家を亂さんと欲するを憂へ、浪華(なには)に幽(いう)するの議(ぎ)あり。