南京豆なんきんまめ)” の例文
紙屑かみくず南京豆なんきんまめ甘栗あまぐりの殻に、果物の皮や竹の皮、巻煙草まきたばこの吸殻は、その日当番の踊子の一人や二人が絶えず掃いても掃いても尽きない様子で
勲章 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「じゃ、なにを植えるの。僕に教えてくれてもいいじゃないか。あ、分った。南京豆なんきんまめだい。そうだよ、南京豆だい」
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「大事ないどすやろえ、お縁の……裏の処には、蜜柑みかんの皮やら、南京豆なんきんまめの袋やら、掃き寄せてあったよってにな。」
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わずかにでた南京豆なんきんまめの芽が豆をかぶつたままで鉢の中に五つばかり並んで居る。渾沌こんとん。(五月三十一日)
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
足元はどうかというとみかんの皮や南京豆なんきんまめのから、あらゆる不潔物ではきだめのごとくみだれている。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
南京豆なんきんまめ煮物にもの 春 第四十一 田毎豆腐たごとどうふ
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それからレモンすいも欲しいし、ついでにチョコレートと南京豆なんきんまめとを買ってちょうだいなと、彼に金を渡した。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
テーブルの上には屑羊羹くずようかん塩煎餅しおせんべい南京豆なんきんまめなどが、袋のまま、新聞や雑誌と共に散らかし放題、散らかしてあるのを、女たちは手先の動くがままつまんでは口の中へと投げ入れているばかり。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
南京豆なんきんまめ、キャラメル、かれらは絶えず口を動かしている。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
南京豆なんきんまめ汁粉しるこ 春 第四 南京豆
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
三千子は、ふとした気まぐれから、南京豆なんきんまめを売っている露店の前で足をとど
鬼仏洞事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
南京豆なんきんまめ和物あえもの 春 第四 南京豆
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
安東は、北向きの病床に上半身を起し、さかんに南京豆なんきんまめの皮を指でつぶして、豆をがりがり噛んでいた。血色は、すばらしくよかった。彼の病床のまわりには、看護婦が五六人もたかっていた。
私は小さい頃から南京豆なんきんまめの入っているあの三角形の袋が好きでした。
三角形の恐怖 (新字新仮名) / 海野十三(著)