北越ほくえつ)” の例文
ひそかに、拙者は、北越ほくえつ謙信けんしんをもって任じ、徳川どのは、まさに当代の信玄しんげんにも比すべき人物と信じておるんじゃ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北越ほくえつの山岳中でもかなり高いものとなるから、二、三年の中には是非ぜひに登攀してみようと考えた。
平ヶ岳登攀記 (新字新仮名) / 高頭仁兵衛(著)
はなかけ卜斎ぼくさいの名にそむかず、容貌ようぼうこそ、いたってみにくいが、さすが北越ほくえつ梟雄きょうゆう鬼柴田おにしばたの腹心であり、かつ攻城学こうじょうがく泰斗たいとという貫禄かんろくが、どこかに光っている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
えきないことにひまとらずに、なんじ早々そうそう北越ほくえつへひきあげい。そして、勝家かついえとともに大軍をひきい、この裾野すそのへでなおしてきたおりには、またあらためて見参げんざんするであろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きたしょうの落城の日、養父の柴田勝家しばたかついえや、実母のおいちかたが世を去る煙をうしろに見て、北越ほくえつの陣中からこの大坂へ移され、西を見ても東を見ても知らぬ者ばかりの中で、ひと頃は
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きのう北越ほくえつに上杉勢と相搏あいうっていたかと思えば、たちまち伊勢いせの一を討ち、また返って、江州ごうしゅうの浅井をほふり、転じて朝倉を亡ぼし、更に叡山えいざんへ火の手をかけているという疾風迅雷しっぷうじんらいぶりである。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北越ほくえつ小丸山配所中
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)