勘定書かんぢやうがき)” の例文
歌反古だつたから泣かれたやうなものの腸のなかから鼈甲櫛べつかふぐし勘定書かんぢやうがきでも出たらどんな顔をしたものか、一寸始末に困るだらう。
無論むろん放逐はうちくすることなどはぬので。ひとかれあざむいたり、あるひへつらつたり、あるひ不正ふせい勘定書かんぢやうがき署名しよめいをすることねがひでもされると、かれえびのやうに眞赤まつかになつて只管ひたすら自分じぶんわるいことをかんじはする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
料理が済むと、主婦かみさんは勘定書かんぢやうがきを持ち出した。天文学者はじつとその〆高しめだかを見つめてゐたが、暫くすると、望遠鏡とほめがねを覗く折のやうに変な眼つきをして主婦かみさんを見た。
が、猶且やはり勘定書かんぢやうがきには署名しよめいをしてるとふやうなたち
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)