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劫初
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ごうしょ
ふりがな文庫
“
劫初
(
ごうしょ
)” の例文
私の
劫初
(
ごうしょ
)
以来の
罪業
(
ざいごう
)
を幾分なりとも軽くしてやろうと
思召
(
おぼしめ
)
して、かりに私の身から一切の持物を取っておしまいになりました。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
目を
遣
(
や
)
れば遣るほど計り知れぬ
劫初
(
ごうしょ
)
にきざしているといってもなお及ばない。生は限りなく連続する。鶴見は、今そこに
輪廻
(
りんね
)
を観じているのである。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
劫初
(
ごうしょ
)
から末代まで、此世に出ては消える、
天
(
あめ
)
の
下
(
した
)
の
青人草
(
あおひとぐさ
)
と一列に、おれは、此世に、影も形も残さない草の葉になるのは、いやだ。どうあっても、不承知だ。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
僕は独逸文学のことは好く知らずにしまうが、その中には日出写生のいい文章は幾つかあるであろう。山上の美しい日の出は、いわば
劫初
(
ごうしょ
)
の気持であり、開運の
徴
(
しるし
)
でもある。
リギ山上の一夜
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
劫初
(
ごうしょ
)
以来人類の脚が、未だ触れたこともない岩石と、人間の呼吸が、まだ通ったことのない空気とに、突き入るということは、その原始的なところだけでも、人間の芸術的性情を
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
▼ もっと見る
劫初
(
ごうしょ
)
以来人の足跡つかぬ白雲落日の山、千古斧入らぬ
蓊鬱
(
おううつ
)
の大森林、
広漠
(
こうばく
)
としてロシアの田園を
偲
(
しの
)
ばしむる大原野、魚族群って白く泡立つ無限の海、ああこの大陸的な未開の天地は
初めて見たる小樽
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
かれが目的を立てる時は必ずやすでにかれは大
劫初
(
ごうしょ
)
からそれを目的とせねばならぬ様に運命づけられている。かれの目的とはただかれに与えられた運命の追認的ホンヤクであり、自己欺瞞である。
錯覚自我説
(新字新仮名)
/
辻潤
(著)
それはもう、
劫初
(
ごうしょ
)
以来、人類の世界に、無数に繰返された悲劇である。そうして恋の敗北者が底知れぬ苦悩の淵につき落され、そのために死を選ぶに至ることも、同じく無数に繰返された喜劇である。
ある自殺者の手記
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
一寸でも頭を出すと、とかく口の端にかかる、あるいは嫉みの
槌
(
つち
)
で、出かけた杭が
敲
(
たた
)
きのめされるが、この辺の山は海抜いずれも一万有尺、
劫初
(
ごうしょ
)
の昔から間断なく、高圧力を加えられても
梓川の上流
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
“劫初”の意味
《名詞》
劫 初 (ごうしょ)
この世の初め。
(出典:Wiktionary)
劫
漢検準1級
部首:⼒
7画
初
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“劫”で始まる語句
劫
劫火
劫掠
劫罰
劫風
劫奪
劫盜
劫羅
劫々
劫争