切籠きりこ)” の例文
毎朝彼に出る盆には、コーヒーが一杯、背の高い切籠きりこのコップにアイスウォーターが一杯、コニャックが一杯ときまっていた。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
青竹あをだけ長棹ながさをにづらりと燈籠とうろう切籠きりこむすびつけたるをかたにかけ、ふたツはげながら、ほそくとほるふしにて、切籠きりこ行燈切籠あんどんきりこ——とる、まちとほくよりきこゆるぞかし。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
小ぢんまりした沓脱石も、一面に水に濡れて、切籠きりこ形の燈籠の淡い光がそれに映つてゐた。
鱧の皮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
村雨むらさめも過ぎて切籠きりこのあらしかな 乙双
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
小ぢんまりした沓脱石くつぬぎいしも、一面に水に濡れて、切籠きりこ形の燈籠の淡い光がそれに映つてゐた。
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
新盆にいぼんに、切籠きりこげて、父親おやじと連立って墓参はかまいりに来たが、その白張しらはりの切籠は、ここへ来て、仁右衛門爺様じいさまに、アノ威張いばった髯題目ひげだいもく、それから、志す仏の戒名かいみょう進上しんじょうから、供養のぬし、先祖代々の精霊しょうりょう
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)