其所等そこいら)” の例文
「先生、将棋はうです」抔と持ち掛けた。夕方ゆふがたにはにはに水をつた。二人ふたり跣足はだしになつて、手桶を一杯づゝつて、無分別に其所等そこいららしてあるいた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一遍は縫子を連れて、其所等そこいらをぐるぐる運動して歩いた。仕舞にはと酒でも取り寄せて飲もうかと思った。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
代助はくるしいので、何返なんべんせきつて、うしろの廊下へて、せまそらを仰いだ。あにたら、あによめと縫子を引きわたしてはやく帰りたい位に思つた。一ぺんは縫子をれて、其所等そこいらをぐる/\運動してあるいた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
二人共跣足はだしになって、手桶ておけを一杯ずつ持って、無分別に其所等そこいららして歩いた。門野が隣の梧桐ごとう天辺てっぺんまで水にして御目にかけると云って、手桶の底を振り上げる拍子に、滑って尻持しりもちを突いた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)