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公邊
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かみ
盜み出し候
故扨は渠等兩人も主人の
惡意を
察しけれるにや兄弟を
盜み出しうへ
訴へ出る
存念と心付南無三寶是は
逸りたることをなし
公邊へ御苦勞を
大岡殿粂之進を
白眼れ其方
只今公邊の
祿を
頂戴し御役を
勤め人の
理非をも
糺す身の上と云ながら
誠の火付盜賊は是なる伊兵衞を
差置科なき喜八を
捕へ
熟と
吟味もなく
送り
状を
討其
手筋にて科人相知れ其身の
本望公邊への御奉公
神妙に思召
幸之進取れ候
金子の中四百兩
相殘り候に付瀬川へ下さるゝ間
母諸共
流浪致さぬ樣取計らひ
遣せと申渡され
皆々有難き旨之を