八分はちぶ)” の例文
歩きながらも八分はちぶは居眠り、八十の老爺ろうやのように腰をまげて、頭をたれ、がくんがくんうなずきながら、よろよろふらふら、私に手をひっぱられてついてくる。
二十七歳 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
また伊那郡にても、ある天理教信者の家にて管狐を使うとの評判が立って、その家を八分はちぶにするとの騒ぎが起こった。八分とは、その地方の方言にて絶交する意味である。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
こゝに一夜いちやあけのはる女中頭ぢよちうがしらのおぬひ?さん(ねえさんのいまつまびらかならず、大方おほかたうだらうとおもふ。)朱塗しゆぬり金蒔繪きんまきゑ三組みつぐみさかづきかざりつきの銚子てうしへ、喰摘くひつみぜん八分はちぶさゝげてきたる。
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)