トップ
>
先以
>
まずもっ
ふりがな文庫
“
先以
(
まずもっ
)” の例文
ここには、紀文の時のように、吾勝ちに争う
幇間
(
たいこ
)
末社
(
まっしゃ
)
の
類
(
たぐい
)
もなし、梅忠の時のように、
先以
(
まずもっ
)
て後日の
祟
(
たた
)
りというものもないらしい。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
先以
(
まずもっ
)
て御主人様のお
遺書
(
かきおき
)
通りに成るから心配するには及ばん、お前は親の
敵
(
かたき
)
は討ったから、是からは御主人は御主人として、其の敵を
復
(
かえ
)
し、飯島のお家再興だよ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
勧業債券は一枚買って千円も二千円もになる事はあっても、掘出しなんということは
先以
(
まずもっ
)
てなかるべきことだ。
悪性
(
あくしょう
)
の料簡だ、劣等の心得だ、そして暗愚の意図というものだ。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
先以
(
まずもっ
)
て、財物の無心に参ったのではござらぬという安心を、先方に与えなければならないほど、神尾の立場は気が引ける。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その型の美しさ——すべての芸道において、型の神妙に入ったものは、
先以
(
まずもっ
)
て美しいというよりはいいようがない。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
しかし、がんりきの身になってみると、着物を着るよりも、帯をしめるよりも、眼に見える醜態を隠してもらうよりも、
先以
(
まずもっ
)
て、一杯の水が欲しかったのでしょう。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
先以
(
まずもっ
)
て、人間の仕事で、これより最初の、これより正しい仕事はないと言ってもよろしうございます。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
すやすやとお
寝
(
やす
)
みの殿のお寝息をうかがいますると、やれ御無事でいらせられたかと、昨日来の恨みは
脆
(
もろ
)
くも消えて、
先以
(
まずもっ
)
て嬉し涙に
掻
(
か
)
きくれたような次第でございます
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
されば我々は、寝物語の里を経て、ついうかうかとこれまで迷い込みましたのは、古関の清興は後まわしと致し、
先以
(
まずもっ
)
て小関の人訪わぬ昔をとぶらわばやとの寸志でござった
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
先以
(
まずもっ
)
て、物の数というやつは、たとえ千万無量の数がありましょうとも、これを大別して丁と半とにわける、丁でない数は即ち半、半でない数は即ち丁、世間に数は多しとも
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
先以
(
まずもっ
)
て
磨針峠
(
すりはりとうげ
)
からこの山の下三里がところまで押しかけて、そこでかたまっている一まきが、こいつが
剣呑
(
けんのん
)
だということを御承知願えてえんでございます、そいつがみんな胆吹へ
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
かくて、臨川寺の方丈の上で、道庵先生と、
僧形
(
そうぎょう
)
の御同職(仮りに)とは相対して、酒をくみかわしながら、寝覚の床をつるべ落しにながめて閑談をはじめました。僧形の同職が
先以
(
まずもっ
)
て言いけらく
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この名が、
先以
(
まずもっ
)
て、筆端に押迫って来る。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
以
常用漢字
小4
部首:⼈
5画
“先”で始まる語句
先
先刻
先方
先生
先達
先鋒
先日
先祖
先途
先手