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元栗橋
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もとくりばし
聞て然らば
何れへ參りしや其
行先を御存じなるか重四郎
然ば
今晩は
元栗橋の
燒場隱亡彌十の處に於て長半が出來ると云により
夕申刻頃から行べしと
拙者を
然程に畔倉重四郎は鎌倉屋金兵衞の
子分八田掃部練馬藤兵衞三加尻茂助の三人を
伴ひ我が
家を出て
元栗橋へと急ぎ行く程なく
來掛る利根川堤
早瀬の
波は
水柵に打寄せ
蛇籠を
敵と
覘ひ
討んとて先生と
同道なし
元栗橋へ
行んとの
相談最中は全く
其奴等三人を
土手迄引出し
殺して仕舞ふ
計略ならんと悟りし故助太刀せんと先へ
廻り此處にて待伏したればこそ
此始末と
語るを