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傷兵
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しょうへい
月がなく、
星明かりでは、たがいの
顔もよくわからなかったが、
傷兵たちは、
静かにして、レコードに
聞き
入っていました。
彼は、ほっとして、はじめて
多くの
傷兵たちといっしょに、レコードに
耳を
傾けようとしたが、いつのまにか
心は、また、あらぬほうへと
飛んでいました。
清作さんは、
自分よりは、もっと
大きな
負傷をしたり、また
手術をうけたりした
傷兵のことが、
思い
出されたのでした。あの
人たちは、いまごろ、どこにどうして
日を
送っているだろうか。