信濃国しなののくに)” の例文
ところがしばらくすると、またおとなりくに殿様とのさまから、信濃国しなののくにへお使つかいが手紙てがみってました。手紙てがみといっしょに二ひき牝馬めうまれてました。
姨捨山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
信濃国しなののくに八ヶ岳、立科山たてしなやまとの谿合たにあいに、尼僧寺院があると聞き、訪ねて行ったのもそのためだ。隠れわそうためだった
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
信濃国しなののくにでは、上諏訪かみすわから和田峠を越えて、上田の善光寺に参った。越後国えちごのくにでは、高田を三日、今町を二日、柏崎かしわざき、長岡を一日、三条、新潟を四日で廻った。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
川は千隈川ちくまがわ、地理書ではひけを取らぬ信濃国しなののくに埴科郡はにしなごおり松代まつしろから、もう一足田舎の西条という所で、富豪と朴直と慈仁と、この三つに隣村までの小作の指を折られる目賀田庄右衛門が一粒種
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
信濃国しなののくに筑摩ちくま神坂みさか村平民
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しばらくすると、またおとなりくに殿様とのさまから、信濃国しなののくにへお使つかいが一つのたまってました。いっしょにそえた手紙てがみむと、このたま絹糸きぬいととおしてもらいたい。
姨捨山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
すると、この信濃国しなののくに更科さらしなというところに、おかあさんと二人ふたりらしている一人ひとりのお百姓ひゃくしょうがありました。
姨捨山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)