ぢゆう)” の例文
自然私がそんな考へにぢゆうしてからももう一年半になる訳である。さうしてどちらかといふと、私の事業は其の一年半の間にいくらか歩を進めた。
落葉降る下にて (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
千石取せんごくどりの旗本、本郷丸山のぢゆう、口きゝで、顏が通つて、近く役付になつたばかりといふじん、その披露を兼ねて同僚、上役、友人方を招いての凉み船に
当時東京にぢゆうせざりしため、退学届を出す期限に遅れ、期限後数日をて事務所に退学届をいだしたりしに
その頃の赤門生活 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
○宗教上の信仰を有する人は、かかる時こそ宗教の加護を受くべきである。観音の額には無所畏むしよゐの三字が示してあるではないか。不動尊は不動経に、我は衆生しゆじやう心中しんちゆうぢゆうすと説いてあるではないか。
日本大地震 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
むなくて、白眼はくがんに世を見下げたるひやき夢のなかぢゆうして
白鳥 (旧字旧仮名) / ステファヌ・マラルメ(著)