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伯孫
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はくそん
伯孫はゆうべの
應神天皇の
御陵の
所へ
行つて
見ましたら、
自分の
乘つてゐた
馬は、
御陵の
前にある
埴輪の
土馬の
間にをつて、
主人をまつてゐたので、またびっくりしましたが
その
歸りがけ、それは
月夜の
晩のことでありましたが、あの
應神天皇(
伯孫の
時から
百年ほど
前に
當る)の
御陵の
前を
通りかゝると、
非常に
立派な
赤い
馬に
乘つてゐる
人に
出會ひました。
むかし、
雄略天皇の
御時、
河内の
安宿郡の
人に
田邊伯孫といふ
人がありまして、その
娘が
古市郡の
人へかたづいてゐましたが、ちょうど
赤ちゃんを
産んだので、
伯孫はお
祝ひにその
家へ
行きました。