伊弉冊尊いざなみのみこと)” の例文
旧字:伊弉册尊
うしろの床には、伊弉諾尊いざなぎのみこと伊弉冊尊いざなみのみことの二神をまつって、そこにも一穂いっすい神灯みあかしと、一瓶いっぺい神榊みさかきと、三宝には餅や神酒みきが供えられてあった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『日本紀』一に伊弉冊尊いざなみのみこと火神を生む時かれてみまかりましぬ、紀伊国熊野の有馬村に葬る。『古事記』には火之迦具土神ひのかぐつちのかみを生ますに御陰みほとかれて崩りましぬ。
加之それに何なのぢや、それ、国常立尊くにとこたちのみこと国狭槌尊くにのさづちのみこと豊斟渟尊とよくむぬのみこと大苫辺尊おほとまべのみこと面足尊おもだるのみこと惶根尊かしこねのみこと伊弉諾尊いざなぎのみこと伊弉冊尊いざなみのみこと、それから大日霊尊おほひるめのみこと月夜見尊つきよみのみこと、この十柱とはしらの神様はな
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それ大君は、上古伊弉冊尊いざなみのみこと、天日を請受こいうけ、天照大神あまてらすおおみかみを生み給い、この国の君とし給いしより、天地海山よくおさまりて、民の衣食住不足なく、人の人たる道も明らかになれり。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
就中なかんずく女体峯頭が最も高く、つ眺望最もすぐれたれど、この日は濃霧濛々として眺望少しも開けざりき。男体山には伊弉諾尊いざなきのみことを祀り、女体山には伊弉冊尊いざなみのみことを祀る。其外そのほか、頂上に摂社すこぶる多し。
秋の筑波山 (新字新仮名) / 大町桂月(著)
字は禄所ろくしょが正しいという説もあるが、本社祭神は大己貴命おおなむちのみこと相殿あいでんとして素盞嗚尊すさのおのみこと伊弉冊尊いざなみのみこと瓊々杵尊ににぎのみこと大宮女大神おおみやひめのおおかみ布留大神ふるのおおかみの六座(現在は大国魂おおくにたま神社)。武蔵むさしでは古社のうちへ数えられるのだ。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)