令閨れいけい)” の例文
も憚らずいぎたなく熟睡に及びたる一埒いちらつ何とも申訳の言葉も無之これなく朧気乍おぼろげながら昨日の御話に依れば令閨れいけい御死去に関して何か疑惑を
恐ろしき錯誤 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
もっと送ってあげたく思いましたが、僕もいっぱいの生活でどうにもできません。麹町区内幸町武蔵野新聞社文芸部、長沢伝六。太宰治様、令閨れいけい様。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ある時早稲田南町の漱石氏の宅を訪問した時に席上にある一婦人は久保猪之吉博士の令閨れいけいとして紹介された。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
令閨れいけいとおよび五三人はその中心になりて、十重二十重とえはたえに巻きこまれ、のがるるひまなくふしまろび候ひし。
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
以て権門勢家けんもんせいか令閨れいけいとなる者を養うべきも、中流以下の家政を取るの賢婦人をいだすに足らず。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
この合田義和医師の家と現時美術学校に仏語を教授しておられる合田清氏の家とは遠縁に当るそうで、何んでも清氏の令閨れいけいが合田医師のめいとかに当るということを後に至って知りました。
親愛なる蒔岡御令閨れいけい
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この名望家の令嬢で、この先生の令閨れいけいで、その上音楽の名手と謂えば風采のほども推量おしはかられる、次のへや葭戸よしど彼方かなた薔薇ばらかおりほのかにして、時めく気勢けはいはそれであろう。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
親愛なる蒔岡御令閨れいけい
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
このたび戦死したる少尉B氏の令閨れいけいに候。また小生知人にござ候。
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)