仕込しこみ)” の例文
我軍の攻撃にって防戦したのであろうが、味方は名に負う猪武者いのししむしゃ英吉利イギリス仕込しこみのパテントづきのピーボヂーにもマルチニーにもびくともせず、前へ前へと進むから
「だってあたしの悪口は叔父さんのお仕込しこみじゃないの。津田に教わったおぼえなんか、ありゃしないわ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
爺さんは植木屋の頭に使われて、其処此処の庭の手入れをしたり垣根をゆわえたりするのが仕事なのだ。それでも家には小金の貯えも少しはあって、十六七の娘に三味線を仕込しこみなどしている。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
アルマ・グルツク女史といへば米国で名高い高調子の歌手ソプラノ・シンガアで、欧羅巴ヨーロツパの本場仕込しこみでなくて、グランド・オペラの一流株になつたのは、女史が皮切かはきりだといふ、米国ではちやきちやきの歌手うたひてである。
仕込大坂へ年に十五六兩も送りて手許てもとに十廿の金も有る故彌々いよ/\面白くかせぎしが今年ことしは代呂物も百兩程仕込しこみ金も百兩位はある樣に成しかば大坂へかへらんと思ひしに昨日今日とくらうちはや五年の月日を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
仕込しこみの山杖、ヒュッと虚空へは抜けたが、白衣びゃくえ丹花たんかをちらしていた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
れもおめえが仕込しこみ所爲せゐだんべが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)